エンジンオイルの役割と構成
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・エンジンオイルの役割
  エンジンオイルは,ピストンリングとシリンダー内壁の摩擦を減らし、磨耗を防ぐ潤滑作用の他に、様々な働きをしていますが、それは次の通りです。

@ ピストンリングとシリンダーの間の気密を保ち、爆発や圧縮ガスの吹き抜けを防ぐ密閉作用。
A エンジンから発生した熱を吸収することで、必要以上の加熱を防ぎ、その熱を放散する冷却作用。
B エンジン内部に発生するスラッジや煤などを取り払い、包み込んでしまう洗浄作用。
C 金属表面に膜を作り、水分等が直接触れないようにしてエンジン内部に錆が発生するのを防ぐ、
   防錆作用。
D 劣化して酸性化したオイルを中和し腐食を防ぐ作用。


・添加剤(図1)
 
エンジンオイルは、添加剤によってその特性と性能を発揮しています。中身の約20%は添加剤で占められており、潤滑能力を高める「摩擦調整剤」、エンジン内部をきれいにする「洗浄分散剤」等多くの添加剤が配合されています。    
▼図1
添加剤
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■オイル表示の読み方

・粘度
  エンジンオイルには性能を表す幾つかの表示があります。
  オイルの粘度は、SAE(アメリカ自動車技術者協会)の分類が主として使われ「10W-30」や「5W-30」などと表示されます。
  WはWinter(冬)の略で、前半の数字が小さくなるにつれて低温で固まりにくいことを表しています。
  0Wは-35℃、5Wは-30℃、10Wは-25℃まで使用可能という意味を示します。
  一般的には10Wで十分ですが、10Wよりも5Wのほうがエンジン始動時における負担が小さく燃費もよくなります。
  後半の数字は、高温時(100℃)における粘度を表し、数字が高くなる程オイルが固くなることを表します。
  これも一般的な走行なら30で十分ですが、スポーツ走行をよくする人は5W-40や15W-40等の固めのオイルがいいでしょう。

・規格

API規格
 API(米国石油協会)、SAE、ASTM(アメリカ材料試験協会)の3者が協力して定める品質規格で、事実上世界規格として認知されているものです。SH、SJ、SL等Sで始まる記号で表示されます。2001年7月から最新のSLグレードが制定されました。

ILSAC
 ILSACは「国際潤滑油標準委員会」の略で、アメリカ自動車工業会、日本自動車工業会が中心となり主として自動車潤滑油の規格を開発するために活動しています。GM、FORD、ダイムラークライスラー、トヨタ、ホンダ、日産等がメンバーになっています。表示はGF-1、GF-2、GF-3となっており、GF-3が最高ランクになっております。

ACEA
 ACEA規格は、ヨーロッパ自動車工業会(ACEA)、石油メーカー、消費者の代表により組織された協会で制定された規格で、1996年1月から運用されています。APIとは異なるテスト項目があり、A3が最高グレードになります。

規格
           API(アメリカ石油協会)SL規格
    ILSAC(日米自動車工業会)GF-3規格

・SL/GF-3規格について
  2001年7月からスタートしているAPI規格SLグレード、ILSAC GF-3は、SJ/GF-2規格と比較して主に下記の点で試験方法が変更、追加されています。

@ SJ/GF-2の燃費試験が新油のみの評価であったので、4,000マイル(6,400km)走行した時点の燃費
   の評価を加え、使用油の燃費向上を計る。
A 自動車排気処理触媒の保護の延長(100,000マイル、160,000km)
B オイルの消費低減の為にオイルの蒸発性試験が厳しくなる。
C 高温酸化安定性私権の試験法見直し及び強化

・DH-1規格について
  日本自動車工業会制定した日本独自のディーゼルエンジンの規格で平成13年4月からスタートしています。DH-1規格は主に対磨耗性、EGR(排気ガス再循環装置)への適応が考慮されています。
  従来は、API規格表示を使用していましたが、米国と日本の排ガス規制の違いにより、エンジンオイルに要求される性能が違ってきた為に制定されました。


○日本と欧米のディーゼルエンジン規制の違い

地域
法規制内容
燃焼温度
他要因
米国・欧州
PM排出量重視
比較的高温で燃焼
日本
NOx排出量重視
比較的低温で燃焼
EGR装置使用

 日本の法規制は基本的にNOx(窒素酸化物)排出量削減を重視していますが、これに対して欧米ではPM(粒子状物質)排出量削減を重視しています。このNOx量、PM量は燃焼温度により逆相関の関係にあり、NOx削減を重視している日本のエンジンではますますの混入が多くなります。したがってオイルのすする分散能力、洗浄能力が大切な要因になります。
 
各地域でこのように環境を重視した規格が発表されましたが複雑化してきた為、日本自動車工業会(JAMA)、欧州自動車工業会(ACEA)、米国エンジン製造工業会(EMA)と共同して共通のガイドライン「DHD-1」導入が決定しました。
 これによりエンジン油の国際的調達、入手性の向上、選択基準の明確化ができるようになります。

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